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Posted by - 2024.10.05,Sat
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Posted by 安奈 - 2014.03.27,Thu
0330修正

出撃命令書に目を通して、ベジータは舌打ちした。
また、個々人での惑星制圧である。
ある時期からサイヤ人同士での部隊編成が避けられるようになり、死んでこい、もしくは強くなるなと言わんばかりの両極端な指令が増えていた。
先日のカカロットの件にしてもそうだ。
人口がそれなりに多く、高数値の個体の確認も取られていた場合、チームリーダーを一人指名し数名の隊員を付けるのが定石である。
サイヤ人の能力を信頼して、などと聞き心地のよい建前のもと、カカロットは非効率この上ない惑星制圧に駆り出されたのであった。
そんな現場ばかりたらい回しにされた結果、弱虫以下のカカロットは必要以上に戦略的な回避が上手くなってしまった。
高数値の個体に対して一撃を与え、逃げ、また攻撃し、逃げ…
オーバーワークになるのも然り。おそらく本人にとっても不本意な戦闘スタイルだろう。
サイヤ人の体質を考えれば、出来る限り避けたい戦法でもある。
またベジータが内心危惧しているのは、回復能力に長けた種族に当たった場合、自殺行為になりかねない事だ。
カカロットは体力的にも秀でているわけではない。持久戦が限界を超えれば結果は明白である。
考えれば考えるほど使えない最下級戦士。
それでも処分されないどころか、ベジータがカカロットを買う理由。
好戦的である事は当然として、戦闘数値に反映されない技術と吸収能率の良さだ。
『おまえ、つええんだなあ』
初対面で、開口一番そう言ったカカロットの言葉を思い出す。
スカウターを付けないまま、周囲の大人には目もくれずまっすぐ自分を見据え、目を輝かせた子供にベジータは内心驚愕した。
機械に頼らず個体の強弱を測れるらしい。それはベジータにとって未知の能力だった。
その後、スカウターほどの精度が無い事が分かり少々の落胆はあったが、地球とかいう惑星で自ずと身に付けてきた技術は今でも役に立っている。
それは圧倒的な戦力差があるフリーザ攻略できっと役に立つ。
力押し一辺倒になりがちなサイヤ人の中では、貴重な存在だと判断していた。
しかしやはり、満身創痍から回復しても、微々たる成長しか示さない下級戦士に苛立って仕方のない事もまた事実であった。

「ベジータ、そろそろオレの命令書見せて下さいよ」
ああ、もう処分してしまいたい方の弱虫が邪魔しやがった。
共有スペースで考え事をしていた自分も悪いが、ラディッツのどうしようもない間の悪さに苛立ちの矛先が一瞬で変わる。
「あとこれ、ターレスが王…ベジータにって」
琥珀色の液体が揺らぐガラス瓶を掲げて「王子」と言いそうになったラディッツは肝を冷やしているのだろう、少し頬を引きつらせて、テーブルの端にそっとそれを置いた。
「王子」という呼称は、惑星ベジータが消滅した後しばらくして止めさせた。
国家を失った王族に身分はなく、フリーザ軍の中ではただのベジータである。
ナッパはすぐに従った。カカロットは最初から馴れ馴れしかった。ターレスはそもそも不遜だった。
だが、よわむしラディッツ。サイヤ人下級戦士層をそのまま絵に描いたようなこの男だけは、いつまで経っても癖が抜けない。
理由を問い質した事があった。返ってきた答えは、民がいれば王子は王子でしょう、だと。
ベジータにとって血統は矜持の拠り所以外何物でもなかったので、その返答は理解の外にあった。
結果、ラディッツは不興を買い、背骨を折られてメディカルマシンに入る事となった。
それはベジータの額を前髪が隠していた頃の出来事で、今は少しだけ分かるようになった気がしている。確信には至らないが。
だから、こうしてうっかり口にしようと、ベジータが居らぬ場所で何と呼ぼうと、重症を負わす状況にはならなくなった。
無言のラディッツに対し、無言で出撃命令書を渡す。
内容を確認したラディッツは、溜息混ざりにまたか、と呟いた。
「ベジータ、オレ達いつになったら親父たちみたいな戦い方できるんでしょうね」
昔を懐かしむような言い方をするな、鬱陶しい。
とは言葉にせず、フリーザ様直々に賜ったお言葉を言ってやる。
「サイヤ人は優秀な戦闘民族でいらっしゃるから、効率よく戦果が上がって助かりますよ。だとよ」
「当面無理って事ですね…ああでも、ベジータとナッパはツーマンセルか」
「フリーザ様の中じゃ、オレはまだ惑星ベジータから預かった大事な王子様らしくてな」
ラディッツの表情が固まる。皮肉くらい笑って流しやがれ。大体いつもの事じゃねえか。
視線は派遣先の場所で止まっていた。高度文明を築いた種族連合とここ数ヶ月競り合っている激戦区が記されている。
ラディッツが参戦するとすれば容易に無残な結果が予想できる戦場だった。
ナッパは元々ベジータの従者としてフリーザ軍に入った。名門に恥じない戦闘力が認められ、ベジータの補佐役として現在もペアが続いている。
ベジータが感じる一番古い惑星ベジータの名残である。最前線での戦闘経験が長いからこそ、ベジータとナッパはフリーザ側としても使い勝手が良いらしい。
これ程度の状況ならば死なんだろう。残念ながら数値を上げるチャンスは無さそうだが。
ベジータは自分とナッパの分を抜き、残り2枚をラディッツに突き出す。
「あいつらに渡しとけ」
ラディッツが見た同じ書式の命令書は、カカロットも帰還したばかりのターレスも、一人で遠足へ行けと宣っていた。









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Posted by 安奈 - 2014.03.26,Wed
ドラゴッンッボーオルー
昔書いてた妄想走り書きの微修正と飽きるまで適当に書きます。
カカロット・プログラム通り帰還IF

アラームが鳴っている。緩やかに覚醒しながら手元のタッチパネルに触れた。小さな電子音と共に管制塔との通信が始まる。ノイズが酷いのはこのポッドが破棄寸前のオンボロだからだ。
管制官は手短に軌道を告げ、一方的に通信は途切れた。合理的だ。つまりは収容されているものに意識があるかを確認するためのやり取りにすぎない。応答が無い場合、彼のような下っ端兵はそのまま「ゴミ箱」へ誘導される。
長方形の窓から白い惑星が見えた。それは地表を隈なく覆う城壁の色だ。
近づくにつれ丸みを帯びた建造物のシルエットと米粒のような人影が見えた。申し訳程度に生えた樹木は貧相な枝を伸ばしている。見慣れた眼下の風景を苦々しく思う。ここはオレの星じゃない。
帰還信号を受けて着地予定地点がぱっくりと黒い穴を開けた。
あとは自動制御だ。次にくる筈の衝撃にカカロットは身構えた。

「ひでえ目に遭った」
ひび割れた装甲を兄に投げつける。ラディッツは慣れた様子でそれを受け止め振り向きもせずクロークを開けた。戦闘力は自分より上なのに甲斐甲斐しく世話を焼くのはいつもラディッツの役目だった。カカロットに限ってではない。同胞全てに対してのその様子に苛立っているものがいる事に彼は気付かない。
「あんな数値の高い奴いるなんて聞いてねえぞ。あんたはともかくなんでターレスとかが行かなかったんだよ」
「たかが知れてるだろう。あの程度の星、制圧できないでどうする」
バタンと乱暴に扉を閉め、真新しい戦闘服を突き出した。
「いいか、お前はサイヤ人なんだぞ。いい加減その自覚を持て」
「持ってるさ。オレだってもっと強くなりてえよ」
なのにちっとも強くなんねえ。口を尖らせながらやはりボロボロのアンダーウェアを脱ぎ捨てる。まとめてダストシュート行きだなとラディッツが呟いた。埃っぽさと生臭さに顔を顰めている。あの星の住人の血は酷い臭いだった。
バスルームに入ると兄の叱責が追ってきた。ちなみに今回は五日のオーバーワークだ。それには耳を塞いでコックを捻る。ざっと流れた水に掻き消されて後の言葉は聞こえなかった。

カカロットはサイヤ人の中で一番弱い。顔を合わせるのが五人しかいないため優劣は簡単に評価できた。
惑星べジータは巨大隕石との衝突で消滅し、故郷を離れていた彼らだけが生き残った。今は名目上の同盟相手であったフリーザ軍へ帰属している。名目上、というのは実質支配を受けていたためだ。拠り所をなくし、当時も手足となって働いていた事実からごく自然な流れで現在に至る。
カカロットは所謂星送りの子供で、地球という小さな星を制圧し、5年後惑星べジータの爆発跡地付近でフリーザ軍の宇宙船に発見され、収容された。身柄を引き受けた兄のラディッツは開口一番「何て弱さだ」と項垂れた。
当時の事はことある毎に引き合いに出される。おまえ、あの時俺がどんな気持ちで王子のとこに行ったかわかるか!こいつぜったい殺される、下手したら俺まで殺されると思ったんだぞ!
生き残りに王族がいた。幼少の頃からの高い戦闘力を買われ、フリーザの手元に預けられたべジータ。
彼は強さだけの尺度を持っていた。弱いものには目もくれない。よって、カカロットはあしらわれた。
戦士の身体をした少年は片目にあてがわれたスカウターの数値に舌打ちし、言葉も掛けずに踵を返した。
ラディッツは長い安堵の溜息をこぼし、隣にいたナッパが笑った。坊主、命拾いしたな。
その後、ターレスが合流し、サイヤ人はフリーザ軍の最前線で働き続けていた―――表面的には。

「いつになったらまともな戦闘力になるんだ、えぇ?」
べジータの手の中でスカウターが軋んだ。
帰還したカカロットの戦闘数値を測るのは半ば恒例となっている。見事なほど、伸びない。
「なぜだ!」
死に掛けるのも珍しくないのに!言われてカカロットは後頭部を掻いた。
決して訓練を怠っているわけではない、むしろ戦いに関しては人一倍勤勉だと言っていい。
それでもようやく兄の戦闘力に近づいた程度だった。
「オレもなんでこんなよわっちいままのか分かんねえんだよな」
「考えろ、異常だ。サイヤ人としておかしいと言ってるんだ」
今にも掴みかかりそうな勢いでべジータが吼え、バチンと彼の背後で空気が爆ぜた。
衝撃で歪んだ金属製のパイプを一瞥してからナッパがカカロットに何とも言えない視線を投げる。
「ターブルん所に、護衛として行くのも悪くねえかもなあ」
呟いた一言にべジータの眉尻が跳ね上がった。

その後、ナッパは容赦ないベジータの気弾を受けメディカルマシン送りとなった。
回復すればまた戦闘力は少なからず上がっているだろう。理不尽な暴力を彼らは意に介さない。それよりも、まったく得な体質だと各人は思っている。
信じられないような事実として、ベジータはカカロットの事を買っている。
戦場を離れれば少々陽気すぎるきらいはあるが、その「戦闘」においてのサイヤ人らしさは両手以下の数となった同族の中でも際立っていた。
いつか爆発的な能力向上の機会があるのではないかという期待があった。
ベジータ程ではなくても、ナッパに次ぐ位にはと。
下級戦士でも戦闘力1万に肉薄する戦士は居た。カカロットとラディッツの父もまたその一人であった。
あのバーダックの息子ならば、或いは…その可能性はどんなに低いものであってもこの状況下で捨てるのは論外である。
個々の戦闘力が上がれば、それだけチームとしての戦略の幅が広がる。
そして、より過酷な戦場を渡り歩き、経験とサイヤ人固有の伸びしろを積み重ね、そして。
そして、フリーザを討つ。
これが、ベジータを筆頭とした生き残ったサイヤ人達の、無言で共有される宿願であった。




Posted by 安奈 - 2013.01.20,Sun
m20130120.jpgネタバレしない程度に感想箇条書き(反転)
・mダンテめっちゃ素直
・mダンテめっちゃ良い奴
・mダンテが真人間すぎる
・mダンテがかわいい かわいい・・・
・別人です。でもかわいい・・・
・リンボきれい!
・判定温め?
・安定の迷子
・属性敵にフルボッコにされる
・ただただ落ち続けてゴールドオーブ使うはめに・・・
・兄ちゃん・・・
・この双子は兄弟って呼んでしまう



ネタバレないと感想もくそもないなって思うんですが・・・
良い意味で裏切られています。想像してたのと全然違いました。
特にmテ・・・なぐら呼びしててほんとごめんってなった・・・
頭撫でたくなる可愛らしさです。外見とのギャップにほんと困る・・・
m兄はフォールダウン待ちのつもりでいるんですが、
あーやっぱ追記でネタバレ含んで書いた方がよさそうだ
 
Posted by 安奈 - 2013.01.17,Thu
https://twitter.com/anna_nagura

とりあえず所感を呟いてます。ネタバレしかしません。
一段落ついたら消す予定なのでフォロなしで覗くのみでお願いします・・・すみません
今のところ、神棚に飾るレベルだなって思います・・・ありがとうありがとうセオリー、ありがとうinhnさん・・・
Posted by 安奈 - 2013.01.17,Thu
待ってたよ…!
今日受け取れて嬉しい…!
ビジュアルコレクションが凄い…裏返すと更に凄い…





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