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Posted by 安奈 - 2014.06.01,Sun
チェスの画像確認できたので訂正(記事最後)


1日だったので2回目行ってきました。
帰りに知人に捕まってせっかく上書きしたのにすでに忘れかけてるのが悲しい
覚えてる範囲で記事修正



初日から行ってパンフまで買った映画なんていつぶりなんだろう…
全て地上波でやったダイジェストFCが悪い
消化不良でストリーミング配信のフルを再見しました。あと旧作見直しのルートに突入し以下略
(映像にノイズが掛かるので60年代風増しました。映像が綺麗過ぎても駄目な事ってあるよね)

かなり好き勝手言ってるので何でも許せる方だけどうぞ。


一言に纏めると
「社会風刺としてのX-MEN」でした。素晴らしかった。
FCのマシュー・ヴォーン監督が降りてしまったので少し不安だったのですが杞憂に済みました。
シンガー監督作品の個人的に好かない部分(男女の泥沼とか…)が切り落とされて、エッジの効いた皮肉山盛りの大作です。ほんとに素晴らしい!
ただ、予告見て、もしかして…と思ったところが何故か当たってしまって終始気になりかなりいい加減な視聴になりました。これに関してはすまんかった。2回目行くよ。
まずチャールズ。彼はサウスパークで地質学者になるようです
ヒッピーインザシックスティーンイエアフラワーオンザオンザヘア~(うろ覚え)
時代は70年代ベトナム戦争後ですが。
マカヴォイ氏凄いな!!もうこの一言に付きます。
アメリカは負け戦するとすんごいヒステリー起こして見ててうんざりするんですが、その様子を凝縮した演技でした。おお、よくもそう悲劇のヒロインぶれるもんだ…流石英国の俳優さんだぜわかっていらっしゃるぜ(これは私の偏見)
ボサ髪に無精ヒゲ謎のガウン幾何学模様シャツ(シャツは外出着)そしてベルボトムジーンズ
ヒッピーの正装をフル装備して足元おぼつかないご様子で登場します。
FCの紳士は消え去りヒューヴァリンに向かってFACKOFF!痺れる。
流石に冷や汗出ましたがLSDメタファーの薬(規定量以上)を左腕にブスリ。痺れる。
それで、この辺りの荒れてる様子が極端ですっごい笑えるんです。すげーX-MENここまでやるんだ。自虐極まれりですよ。久しぶりに良い映画見た。このチャールズだけで価値があります。
(2回目でやっとチャールズとして鑑賞できました。ごめんね教授。常にブラックホークがダウンしハートはロッカーでライアンを探索してるような+それに関係する人々の怨嗟が響き渡るきっつい状況なんだよね。それは眠れないわ。そんでもって一時的だけど普通の人になってたから、ミュータントのエリックをモンスターだマーダラーだの罵れたんだよね。シンガーXMENの世界観、救いようがないは)
あとちゃっかり美容の薬完成させてるハンク。
そしてデデンデンデ臀部ヒューヴァリン。全裸公開。ヒュー兄貴いつもありがとうございます。T1000なのは分かってるけど体張りすぎです。ありがとうございます。

ウルヴィが教授達と合流後すぐにクイックシルバーに会いに行くんですが。
制作陣の中にDMC3好きが居た?マヴカプ3のファンサービス??って位3ダンテを彷彿とさせてくれます。銀髪青目でクイックシルバーな上黒っぽいプラスチックガンと白っぽいプラスチックガンを構えて交差させてって待ってちょっと待ってどういうことなの今起こった事を誰かせつめいしてくれこれ逆輸入判断でいいの????
(↑すいません。プラスチック銃両方透明白です。制服が透けて黒っぽく見えてるだけ。どんだけ贔屓目入ってんだ)
いやー可愛かった!ペンタゴンに侵入できるよ!で釣れるピュアなボーイでした。
クイックシルバーがMVPでいい。チャールズもエリックも完全に食われてました。というか私が目で追いすぎて主役二人の動きを追えてなかっただけなんですけど。
色々書きたいんですが、あれは映像を見れば魅力そのままなので省略。
とりあず、「何やったの?」「ママの知り合いに金属操れる人がいたよ」でエリック振り回す様子をというかクイックシルバー部分をエンドレスで流したい。
残念ながら途中退場です。パパの脱獄を手伝い面会は終了でした。なんだったんだ。
あとプロメテウスのデイヴィッドが転がってる気がしましたが気のせいでした。

この前半部分が濃すぎて(あと罫線で消してるのが後々まで頭の中引っかき回してくれて)中盤から終盤がかなり薄味に感じました。あの大演説もヒッピーと息子にかき消されたよ磁界王。
ファスニートーですが、かなりフリーダムに動いています。
事前知識をかなり入れて行ったのもあるんでしょうが、ファスベンダー氏のイアン磁界王リスペクトが凄まじく(もう俳優大戦でいいよ副題)X2の威厳に満ちた狡猾なマグニートーの若い頃を見る事ができます。
センチネルのデータをぶんどって頭に叩き込み仕込みをしてからの強奪。
(↑ナチハントの頃を彷彿とさせる用意周到さ。ここだけ007風味)
X2のミュータント絶滅局面から大逆転させたあのシーンが蘇ります。チェス盤上のような優雅さでした。ああお見事。
浮遊しながらセンチネルを操る磁界王の美しい事…(今後ヒューの如くファスニート酷使が始まると思うと胸熱どころじゃない)
で、大演説に戻ります。細かい内容は忘れてしまったけど、圧縮意訳するとミュータント仲間を守る為にオレんとこ来いって事だったと思います。
(↑ミュータント鼓舞のアジとここにいる者たちがどうなるのかよく見ていろの脅迫)
大統領を狙いながらのこれが全米生中継され、演説後ミスティークに首撃たれる。(プラスチック銃はストライカーが持ってたやつ)
(一時気絶してエグゼビア兄妹のやり取り後ミスティークがチャールズに「エリックを渡すわ」)(He is your´sって言ってたような。話し合えって事?)
(エリックって通貨か何かだったの?こいつら兄妹だなやっぱりとか思ってました)
(エリック使って教授は鉄柱をどけました。重機扱い?)
その後ミスティークは去り(去ってませんフレームアウトしていただけです。最後の笑顔プライスレス)、教授と磁界王の会話なんですが、もうなー磁界王かっこよすぎてずるい。
実質的にたった一人で人類に宣戦布告して、それを倒す形でミスティークが発砲。
良いミュータントが悪いミュータントを倒すんですよ。
極めつけの捨て台詞「俺が捕まれば死んだも同じだ」
大演説は前フリで、チャールズに八百長試合を提案するんですよ。チャールズは無言で承諾。
(「you know?」「I know」のやり取り有り。確認承諾)
悪の帝王になるように見せつつ、自発的なスケープゴートです。やめてください泣いてしまいますわたしが歓喜で。
あの時のグッバイフレンドは切ない。ちょっと笑ってたっけなあ。
泣いた赤鬼は美談になりやすいよね。青鬼が清濁抱き合わせなタイプなら特に。
エリックはメット放置のまま退場。ここでもう敵対のしようがない事が確定。
(あとDofpのメットは何故かかっこいいです。いつものダサメットじゃないんです。傷だらけのボロメットではあるんですが。あれフォルム考えた人に喝采を送りたい。ていうか衣装面はほんとがんばってた完璧だった)

分かったのはマグニートーは最小限の犠牲でミュータントを守る事が行動原理になっているようだという事。
だから必要に迫られれば同族殺しもするし、おそらく自分の命も惜しくない。
(↑全力の保身に走るはず。ミュータントという種ではなく「マグニートー」が憎しみの標的になるので死ぬに死ねない)
FCでチャールズにもっと大きなものの一部になれって言われてたけど、なっちゃった。

話は飛ぶけど未来の教授と磁界王はウェットな関係だけど、過去の同お二人は凄くドライだね。カッサカサに乾燥しまくってて色恋挟める雰囲気ではなない。(ほも的には改めて見てもほんとどうしようもなかった。二人とも美容の薬改を限界まで投薬して1年位どっかに閉じ込めて罵り合いさせとけって思った。)
でも教授、ファスニート守れよ。頼むから守ってあげてよお
でも次アポカリプスやん。がんばれ磁界王ちょうがんばれ 


色々抜けてるけどとりあえず以上で。
あっあとサークラカップル復活おめでとう!早く結婚しとけ!そうすれば全部丸く収まるから!!多分!
あああと、パンフレットは買った方がいいです。私は爆笑しました。映画内容の情報より舞台裏が面白すぎる。アラフォー児達のBB弾ウォーの供述が読めるのはDoFPパンフだけ!!


6/1追記
過去パートの時系列が曖昧で、レイブンの行動日時やミュータント狩り?(多分レッドパージにも掛けてるんだろうね)の時期がはっきり示されてたらもう少し考え易くなったかなーと思います。ハボックの帰国後を少しでも追ってくれたらまだ分かりやすかったかも。
未来パートに関してはタイトルが過ぎ去った未来なんであんまり関係ないと思ってます。全力のシリーズリセット。
レイブンのJFK暗殺説は無しで。エリックはっきり人間に邪魔されたって言ってた。ごめんねレイブン…
どっちにしろ論拠薄弱な憶測ですが、ブラザーフッドでケネディ暗殺阻止に行ったら逆手に取られてエリック拘束。元ヘルファイヤクラブの人たちがいつあんな目に遭ったのか分かんないんだけど、ミスティーク単独行動開始はこの後になるんだろうなあと思いました。
駅での「君はレイブンか?それともミスティークか?」の会話を推し量る限り、エリックもレイブンの変わりように驚いてるみたいでした。
あと、レイブンにDNA情報が渡った事を告げて「誰のせい?」って詰め寄られた時、「俺だ」って答えてたので、やっぱり責任取りにスタジアム持ち上げてシェルター引っ張り出して大演説かましたのかなーって改めて感じました。

直接作品に関係ない上、かなりうろ覚え(あのさぁ…)なんですが、飛行機の中でのチェス、手加減してやるって言いながらギャンビット定跡(d4だったと思ってたけどc3だったかもしれない)仕掛けてる辺りエリックさんほんと容赦ないわって思いました。いや、手駒犠牲の戦術だから手加減になるのか?
(c3はクイーンがすぐ動けるのでギャンビットの変形の一つかと思ったんですがザラゴッサ・オープニングっていう定跡らしいです)(ほんとチェスおぼえきれない・・・)
(d4で始まるのはギャンビットに限らないんですが華やかなのでd4=クローズドでギャンビットみたいなイメージを私が勝手に持ってるだけです)
(d4で始めたとして、ヒッピーチャールズが素直にガチンコ勝負してくれるとは思えないから、Nf6を指すのかなあ・・・あのゲーム。チャールズの一手目見たかった)
(これ書いてるわたしはレーティングの数字を晒せないレベルのへたくそです・・・察して)


<6/4修正追記>
シーンカットされてたような気もものすごくするけど気にしない

1.e4(エリック) b6(チャールズ)←遠近の関係でエリックの手がちょっと妖しいんですが多分e4
シシリアン・ディフェンスの派生でオーウェンズ ・ディフェンスって言うらしいです。初めて知りました・・・
機械相手でも黒がb6打って来るのは珍しいです。上級者向けの展開って事を暗示させたかったのかなあ
エリックが知ってればいいけど、ああ、あの勝負負けかなと感じます。ヒッピー教授はやっぱり素直に打ってくれなかった。
シリーズすべてのこの二人のチェスの棋譜を纏めて出して欲しい。
なんとなくイメージしてるのが
先攻
教授:オープニング色々なんでもできる。キャスリングのタイミングは早め。エンドゲームが鮮やか

(色々考えたけど正常チャールズの戦略は本当に想像できない。怖い)
エリック:結果的なギャンビット使い。余裕あれば7ランクルーク狙い。キャスリングしないか遅い。(チャールズ相手は速攻でキャスリングしないと危ないと思う)
共通してるのはポーンは昇格前提で進めてそうなところ
チャールズはスティルメイト派で点数が勝敗を決めるもので、エリックはいかにキングをチェックするかが勝敗を決めるものっていうゲームの認識の違いになってそう(クイーンもビショップも無視してキングに総攻撃仕掛けてそうです若エリックは。自爆フラグしかない)
チャールズの方が総合戦績良さそうだ。エリックは後攻だと自爆まがいの負け方してそう
考えれば考えるほどエリックに勝目あるのか?と思えてきます・・・

もしかしたら乱戦に持ち込んで偶然勝てるレベルかもしれない。やっぱギャンビット・・・っていうかミドルのサクリファイスがどんだけ出るかが気になるところです。
ミドルゲームになるともうこれわかんねえなってなるのでFCとかの盤上見ても理解できる気がしないですがちょっと見返したくなってきました。

1956年(55年?)あたりにボビー・フィッシャー氏がわざとクイーンを取らせるっていうとんでも譜面勝利の伝説を作ったって調べてて初めて知ったんですが、DoFPの実質的オチってある意味これに近いよなあって思いました。
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Posted by 安奈 - 2014.05.31,Sat
世迷言です。

ネタバレ前提。憶測です




◆JFK狙撃犯はミスティークの可能性が少しある。文脈的にはまったくおかしくない。
エリック
・「おれはやってない。彼を守ろうとしていた。彼はミュータントだった」
 →曲がる弾道をエリックは再現できるがFPにはプラスチック銃が登場している
  (ただし開発がいつかは明言されていない)
  (JFKミュータント説はこの会話以降だれも触れていない)
・ミスティークに撃たれて「腕が鈍ったな」、ミスティークの返答「狙い通りよ」
 →使われたのはプラスチック銃なのでエリックに弾道は変えられない
  過去に狙撃の経験が有り、精度も高かったと推測できる
  (ただし人間相手という論拠は無い)

ミスティーク
・ベトナム戦争でラボ送り予定のミュータントを救出
 →ベトナム戦争がアメリカにとって泥沼化したのはケネディ政権下
・ハボックとの会話「エリックは?」「彼はいない(関係ない?)」
 (空耳かもしれないけどaloneって言ってたような…)
・ストライカーのプレートに反応
 →素性を知っている
・ヘリに乗らず「まだやる事がある」
 →ストライカー殺害目的?(ただし劇中でストライカーは本人が生きている)
  もしくはストライカーの持つ情報を盗み出す
・劇中のスパイ活動の内容
・クライマックスでプラスチック銃を使用
 →警備は一般的な拳銃を使用(ただしプラスチック銃との二重装備の可能性有り)
・終劇時ストライカーに変身


うろ覚えな上論拠になりそうなのが上記だけなのでうっすい憶測です
ミスティークとエリックの関係がこじれた原因に関係ありそうなJFK暗殺ですが、作中まったく経緯に言及されてないのでこれ以上の掘り下げも無理。藪の中にもほどがあんよ。
未来教授は「ミスティークの殺人はトラスク博士が初めて」と言っているので矛盾してるんですが、私はプロフェッサーXが曰う真実ほど信じられないものはないと思ってます。
あとシンガーエリックは態度でブラフをかけるけど嘘は口にしない人だと思ってます。X1のウルヴァリン関係とかX2のあれこれとか。
もう一回見たら何か分かるかな~
Posted by 安奈 - 2014.03.30,Sun
0330修正

ターレスは生き残ったサイヤ人の中では異色の経歴の持ち主である。
彼はサイヤ人が名実共にフリーザの傭兵だった頃、多くの同族がそうであったように地上げ屋稼業に従事していた。
下級戦士でで取り立てて戦闘能力が高くなかった為、青年期に入ってからもチーム制での行動をした。
目新しい物を好み、雑食と言って差し支えないサイヤ人達が見向きもしないような地産の食料を口にする事を好んだ。当時は悪食と謗られた。
ある日、特別な戦闘も、生死の境を彷徨う事もなく、著しい戦闘力の向上を経験した。
甘ったるい腐ったような臭いの飲料を飲んだ日の事であった。
戦闘数値を絶対視するサイヤ人社会の価値観の中で、ターレスの数値は単独行動を許可される層に潜り込んだ。
次の仕事でターレスは出奔した。
戦う事にしか悦びを見出せない、置かれた状況にも盲な同族にほとほと嫌気がさした結果であった。
彼は自分の頭が良く回り、しかし享楽的な性質である事を自覚していた。
足がつかないように、できる限り故郷から遠い星々を巡り、略奪を謳歌し、美酒と美食と変わらぬ悪食を楽しみ、そして女と遊んだ。
いつからか利害の一致から行動を共にする者も現れ、さながら宇宙海賊のような生活をしていた。
楽しければそれで良かったので、生命の危機を感じれば恥も外聞もなく逃げ出し、戦闘力は出奔時からそれほど変化する事も無かったが、ある噂が彼の心を捉えた。
神精樹の実。
神にだけ口にする事を許された伝説の果実。
惑星を一つ犠牲にし、凝縮されたエネルギーの塊は、一口で膨大な力を与えるという。
強ければ身の危険が減る事は分かりきった事実であるし、その樹木の残酷さも好ましく思った。
ならず者が集まる惑星の酒場で、ターレスはその実を齧る自分の姿を夢想した。
下級戦士という蔑みの対象であった出自。思うように上がらない戦闘力。実質支配を受けるサイヤ人種族。
彼が無視を決め込んでいた、忘れ去ろうとしていた怒りが小さく発火し、野心のようなものが芽生えた。
その後、ターレスの行動は神精樹の実獲得に焦点が絞られる。
しかし銀河の果てを越え、更に別の宇宙に足を踏み入れる事もあったが、一向に見つかる気配はない。
手当たり次第に情報を集めても空振りが続いた。
そしてその日がやってきた。神精樹の実ではなく、故郷について彼は知る事となる。
宇宙船型の情報交換所がフリーザの支配区域から外れて停泊していたので、めぼしい話はないかと物色しに行った時の事である。
腰に巻きつけた尻尾を見て、声を掛けてきた宇宙人がいた。
フリーザ軍から脱退した元戦闘員が、ターレスをサイヤ人と踏んで惑星ベジータの消滅とそのいきさつについて話し出したのだ。
出来る限り故郷から離れる事を意識していたターレスにとって、惑星ベジータの消滅は知る由も無い事であった。
尚且つその原因が、同族全体の雇い主であるフリーザの自ずから行った破壊であった事など。
元戦闘員は明らかにターレスを蔑んでいたが、彼は言葉巧みに、その男が知りうる限りの情報を引き出した。
生き残ったのは数名である。下級戦士2名、中級戦士1名、王族2名、内、第二王子は辺境惑星へ左遷。
フリーザが惑星ベジータを滅ぼしたのは、サイヤ人が徒党を組み、反旗を翻す事を恐れた為である。
そして、フリーザ軍に属するサイヤ人達は当然それを知らない。
ターレスに最も衝撃を与えたのは女が一人として生存確認されていないという事実であった。
好色なターレスには種族を問わない馴染みの女が両手の数以上居たが、妊娠の兆候すら見せた者はいない。
サイヤ人は絶滅する。
同族を捨てたも同然のターレスであったが、その事実が齎す喪失感は彼に大幅な変化を要求した。
神精樹の実を知った時の小さな火種がより大きな炎に飲み込まれるようであった。
その炎は、無知蒙昧だった同族を貶し、未だ盲の生き残り達を罵り、フリーザを破滅させろと慟哭し、サイヤ人を見捨てた彼自身を焼いた。
ターレスは話を聞き終えると元戦闘員の舌を引き抜いて喉を裂き、その場で馴れ合った一派から離脱して、身一つでフリーザの軍門へ下った。
快い歓迎など受けるはずもなかったが、幸い帰属は許された。昔のように過酷で退屈な地上げの日々が待っていた。
遠征の合間を縫うようにしてようやく引き合ったサイヤ人達に、ターレスは彼が知る真実を伝え、同族の価値観が塗り替えられるのを目の当たりにした。
自分の役目がひとつ終わったと、胸の内で密かに笑った。
それは他人も自身をも騙す事に長けたターレスというサイヤ人の、初めて行った同胞への奉仕であった。

そして彼はまた出奔する。
派遣された惑星には誂えたように宇宙航空技術があった。
動作確認した一隻を残して文明を破壊し尽くした後、彼はフリーザ軍から与えられた装備を、さも攻撃を受けたかのように工作して破棄した。もちろん血痕も忘れない。
鼻歌さえ混じえながら、ターレスは揚々と旅に出る。目的地にあるのは彼がずっと求め続けてきたもの。
「灯台下暗しってやつだな」
それはフリーザ支配区域内で見過ごされてきたのだ。
若干の皮肉さも感じながら、神精樹が根付く砂漠の星への進路を戦利品の電子端末に入力した。

ターレスが遠征先で消息を絶った。
地上げで命を落とす者など珍しくもなかったが、サイヤ人を警戒するフリーザ側近達からの指示で派遣された調査兵は、外部から損傷を受けた支給品のスカウターと、大きく破損したフリーザ軍の装甲、そして着地地点から移動した形跡のないボール型宇宙船を発見し、やはり戦死という判断を下した。死体は見つからなかった。
惑星の制圧自体は終わっており、大気等の組成が居住環境に向く事から、さっそくその星は移民希望種族へ向けた競売に掛けられる事となった。
Posted by 安奈 - 2014.03.29,Sat
0330修正
ドアの下方から、ガン!と音がしたので、ナッパはベジータの来訪を知る。
1秒と空けず開いたドアから迷いもなく入室し、手近な棚の上に一枚の紙と重石よろしく酒瓶を置いた。
紙はともかく、酒に関してはお前にやる、という事だろう。
用が済んだベジータは部屋の主に視線すら寄越さず部屋を去った。
ナッパからすれば慣れた事である。
まず、例え粗暴極まりない足蹴であろうとも、同族内でノックの概念があるだけ上品である。ベジータしかしない所作でもある。
酒の出処はおそらくターレスである。そしてターレスもこのパターンを読んでベジータを中継したと思われる。
ナッパは酒が好きだが、ベジータは好まない。
だが土産を目上の存在に献上しないわけにはいかない。そんな律儀さをターレスは持っているので、アルコールの類になるとこういった現象が起こる。
結果的に王子を使い走りにさせているのはいいのだろうか。ナッパはそこだけ腑に落ちない。
ベジータは酒が飲めないわけではない。好みの個体差こそあれサイヤ人にとっては無害な飲料だ。
青年期に入って久しいベジータが進んで口にしない理由は、フリーザとの会食の味だからだとナッパは踏んでいる。
惑星消滅より20年以上経っても、フリーザはベジータの身分をサイヤ人の王位継承者として親睦だとか会議だとか適当な名目を使って化物揃いのテーブルへ招喚する。希に二人きりで向かい合う場合もあるようだった。
ベジータはその席の様子をめったに語らないが、返ってきた際の容貌は鉄面皮から序々に青筋が浮かぶ憤怒の表情に変わるのが常であった。お決まりの「くそったれ」という罵倒も。
内心を見透かして遊んでいるのだろう。宇宙で最も恐ろしいフリーザ様は、お気に入りの働き蟻と戯れるが大好きなご様子である。
最も長くフリーザ軍内でベジータと行動を共にしてきたナッパから見て、気まぐれに放置される時期こそあれ、フリーザがベジータに興味を失ったと感じた瞬間は一度としてなかった。
古くは入軍したての頃、見事に取り繕った子供らしいわがままを聞き入れ、原住生物の平均数値の高い惑星を一つピックアップし、おもちゃを渡すように派遣命令を下した。資源もなく原住生物の知性も著しく低い為何の収穫もない、コストだけが掛かる無用な出兵であった。
いや、収穫はあったのだろう。ベジータが行う虐殺の映像記録はいたくお気に召したらしい。ドドリアが大声で怒鳴り散らしていた為古参兵にはそれなりに有名な話だ。
ベジータの希望通り、その後は前線での戦闘が主な任務内容となった。
泥沼に陥った現場へ、最終手段として派遣される事も多い。
酒瓶の下の紙の内容も簡潔に纏めると、文明を丸ごと蒸発させてこいといったものだ。
水滴で多少湿ったアナログの出撃命令書を見ながら、ナッパは想像する。
地上に降り立ち、ガスも散蒔かれた細菌も、波状エネルギーで吹き飛ばし、余波で建造物が崩れてゆく様子。
幾度となく見た風景。焼け爛れた死体が疎らに倒れている風景。
ベジータにとっちゃもの足りない任務だろうなあと思いながら、瓶のコルクを歯で捻り抜き、酒を喉へ流し込む。
度数は高くないが、濃厚な香りが物珍しい酒であった。

ターレスが酒を寄越す時は決まって何かしらの情報が瓶の底裏に貼り付けてある。
多くは小型の映像記録装置。今回もターレスが好んで使うパス付きのメモリーチップだった。
フリーザ軍内ではあまり流通していない上、パスは別銀河の古語だ。ターレスが指定し、ベジータしか知らない。
発音にコツがあり、使い始めはエラーが出る事もあったが、今は慣れたものである。ちなみに発音は分かっても意味は知らない。
個人のプライベートがそれなりに保たれているこの基地では、自室で見るのは特に問題ないと判断している。
音声パスが認証されると、ターレスの小さな立体映像が浮かび上がった。
『我ら誇り高き戦闘民族サイヤ人が故郷、惑星ベジータ王位継承者、ベジータ陛下』
ターレスは慇懃無礼に言い放ち、仰々しく一礼した。それはベジータの神経を逆撫でする動作だったが、後で腕でも捻り上げれば良いとして報告を聞く事にする。
『以前報告した、神精樹の実に関して新しい情報が入ってきたぜ。次の個人遠征でオレは死亡する予定だ』
寝耳に水、というわけでもなかった。
ターレスはフリーザ軍に帰属する前からずっとこの伝説の果実を追っている。
死亡する予定――出奔するとなると、よほど確実性が高い情報が手に入ったのであろう。
ただ、急な事になった。ターレスはポッドの整備が整い次第次の出撃が決まっている。
死亡工作であるが、そこは本人に任せる以外手段がない。
ガセネタの場合、戻ってくる可能性がある。そのフォローをどうするかと、ベジータは思考を巡らせる。
『ベジータ王子』
間を置いて呼ばれた彼の呼称は、先ほどとは打って変わって不遜さがなりを潜めていた。
立体映像の表情も皮肉げに歪められた普段の表情とは違う、真摯さが伺えた。
言うならば、ラディッツがたまに見せる表情に近い。
『必ず収穫してくるぜ。もちろんオレも食うが、あんたには必ず献上する。なんて言っても、オレ達の擁する王族はあんたかターブルしかいない。だがオレはあんたの方が好きさ。弟サンには会った事ねえけどよ。サイヤ人率いていいのはどう考えたってあんただ。オレは将来また抜けるかもしれないが、あんたが居りゃ、ナッパ達も座りのいい居場所ができるだろう?あんたが何考えてるのかは知らないが、あんたが存在する限りサイヤ人はサイヤ人でいられる。で、フリーザの野郎八つ裂きにして、新しい惑星見つけて、国おっ建てりゃいい』
こいつは何を言っている?真意はなんだ?
『まだ先の話になるが、繁殖できる種族も探さないとな。そこら辺妙に疎いんだよなあ生き残ってる奴らは。危機感薄いぜ。まあいい。先だ先。今はフリーザだ。フロスト一族』
じゃあまたな。と言って映像は終わった。
居場所?国?繁殖?何が目的で?何の為に?
ベジータには、ターレスの弁が理解できない。
サイヤ人は強ければいい。女が居ないのならば、この残された代で宇宙最強を目指す事が生存意義だと考えていた。
ターレスや、ラディッツ達にとっては違うのだろうか。ナッパにとっても違うのだろうか。
いつものように、ベジータはチップを破壊しようと掌にエネルギーを集めたが、霧散させた。
証拠が残るリスクを承知で手元に残す事とする。
消化されない疑問が少なからずベジータの肚に蟠った。
Posted by 安奈 - 2014.03.27,Thu
0330修正

「へえ、じゃあまだ1000にも届いてないのか。顔が似てても分からんもんだね」
ターレスである。
彼は同族の中でも単独行動を好み、命令通りふらっと出撃しては戦果を上げ、お土産よろしく地上げした惑星の特産物を戦利品と称して持って帰ってくる癖があった。
今回はアルコール類に属する飲料である。
原生の果実を発酵させたよくある原始的な飲み物は、カカロットには香りや甘味より、苦味が勝って口に合わない。
大きなガラス瓶に溜められたそれを半分近く手酌で空けたターレスだが、酔いには程遠いらしい。一方のカカロットは1杯目を少しずつ甞めていた。
向かいのソファにだらしなく座っているターレスを見ていて、おや、と思った。
「ターレスは今どん位になったんだ?」
彼は、ふふん、と得意げにスカウターを投げつけ、さあどうぞを言わんばかりに両腕を広げた。
表示された数値は3000弱。以前会った時より100近く上昇している。
「わっかんねえな~!コツとかあんの?」
「さあね。潜在能力の違いだろ」
ラディッツもあまり伸びないしな。お前ら親父じゃなくて母親に似たんじゃないか?
そうかもしれない。カカロットは直に父親に会った事はないが、外見は別としてどうも性格は真逆と言っていいようだ。
寡黙で、冷静で、戦況を即座に分析し、チームの柱として戦場で信頼された父。口と素行は悪かったらしいが。
オレと似てるのは顔だけだろうな~というのが、伝聞でしか実父を知らないカカロットの感想である。
「ところでよ」
出生をぼんやりと考えていたところで、ターレスが話題を変えてきた。
「神精樹の実って聞いた事あるか?」
ない。
「だよな。オレは噂で聞いたんだが、それを食えば信じられないような力が手に入るらしいぜ」
「ただのウワサだろ~?そんな上手い話あったらフリーザが黙ってるわけねえじゃんか」
「そりゃそうだ」
そうは言いながら、ターレスはその噂を信じているようだった。遠征先で根拠になる情報でも掴んだんだろうか。
それとも、戦闘力3000とはいえフリーザ軍内ではやはり下っ端であるところの、儚い夢に縋ろうとしているのか。

前触れもなくドアが開いた。王子宛にターレスの土産を頼んだはずのラディッツだ。
若干青褪めた様子で、手には3枚の紙。おそらく出撃命令書だろう。
よほど酷い星へ派遣されるのだろうか、カカロットは兄の様子を見て、自分が行く星に何者が居るのか想像する。
自分よりも強い相手、どんなに力いっぱい殴ってもびくともしない相手。
そんな存在は比喩でもなく星の数ほど居ると分かっているのに、背筋にぞくぞくとした悦びが這い上がってくる。
カカロットは自分が弱い事を知っている。死がこの場に居る誰より身近な事も理解している。
それでも、さあ戦っていいと言われると、その現実は押し流されてしまう。
それが忌々しく思うフリーザの命令だったとしてもだ。
「ラディッツ、オレ帰ってきたばっかなんだけどさぁ」
うんざりと言い放つターレスに、まあそんな悪い所じゃないからと書類を渡す。
やはり出撃命令だ。
「カカロットはくれぐれも注意しろ。今回は」
自分の派遣先の内容にざっと目を通すと、確かに下手を打ったらまずいと感じる箇所がいくつか上がった。
瞬間移動?そんな能力を持つ種族が居るのか?科学技術だったとしたら、都市を破壊するのは避けなければ。そう考えながら下記項目を見れば同内容の但し書きがされていた。
「王子サマとナッパサンは?」
「二人で地獄行きだ」
ターレスの問にラディッツが手短に答えた場所は、情報映像で見た激戦区。小惑星帯が熱を持ち赤く発光する様は地獄と言われる場所に似ているのかもしれない。地上戦はやれ細菌兵器だガス散布だと、カカロットにはあまり馴染みのない単語が飛び交っていた。
「どうやって戦うんか想像もできねえ」
「エネルギー波で表面一掃が目的だろうな。ベジータご指名って事ぁ」
「え、あそこ文明占拠が目的じゃなかったのか?」
「地下資源が潤沢だからってしつこく言ってただろ!お前ら兄弟はほんっとどうしようもねえな!」
「今まで全然関係無かった区域なのによく覚えてるなあ、お前」
「情報、大事だろ…」
もう話したくないとばかりに命令書で顔を覆ったターレスからラディッツに視線を向ければ、つい先ほどの固い表情は消えていた。
どうやら、ベジータとナッパの任務内容に安心したらしい。
彼の兄はベジータを特別視している節がある。
ターレスの言う「王子サマ」は明らかな揶揄が含まれているが、ラディッツの言う「王子」は至極真面目な響きである。
カカロットにとってベジータはベジータなので、ラディッツが口にする「王子」は身分の呼称にしか聞こえないのだが、そう呼ぶラディッツが、時々別人のように凛として見える。
理由はさっぱり思いつかない。
聞いてみれば何か分かるのだろうが、ラディッツの思うところがどこにあろうとも、カカロットにとってのベジータはやはりベジータなのだろうと彼は思った。


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